普段キューピーマヨネーズを食べていた僕が味の素ピュアセレクトを試してみた話
君との出会いのきっかけは、
知人の紹介だった。
ずっと一途に思っていた子と別れて、
投げやりになったいた僕に
必要なのは新しい出会いだと、
そう告げられて
僕は君のことが気になり始めた。
少し勇気を出して
君との生活が始まったのは、
ちょうどお餅を食べ尽くした
1月の中頃だった。
少しお高い彼女と
僕の新たな生活のはじまり。
上機嫌で唐揚げを揚げながら
僕は高揚した自分に気づいた。
でも、それからの僕たちは
上手くいったとはとても
言えない。
パッケージから彼女を出した僕は、
少し戸惑いを覚えた。
別れたあの子にそっくりだったから。
赤みを帯びた頬、
クリーム色の滑らかな肌、
だから僕は別れたあの子と君を
比べてしまったのかもしれない。
初めて君と触れ合ったとき、
あまりにも僕が手慣れているものだから
君は驚いた表情をしていたね。
それも君とあの子が瓜二つだから。
初めて君を口にした僕が口にした言葉。
「酸味が足りない。」
ひどく君を傷付けてしまった。
君はなんでもないような素振りを見せたけど
目に見えて、へこんでいるのが分かったから。
そんな君を見ても僕は、
あの子への想いが強くなるばかりで
やがて僕の中の
君の存在は薄くなっていった。
酸味を求めて君をたくさん味わったのに、
味が濃くなるばかりだったのと
対照的だった。
これから僕と君が
関わり合うことは
二度とないのだなと、
空っぽになった君の心を見て
僕は思った。