みさきのらくがき帳

ここはみさきさまの脳内だ

【らぶりつくださいと言われてお金渡してしまった人必見】みさきがJK語の使い方教えるよ #2

こんにちは、みさきです。
車のライトをハイビームにする
操作が好きです。
レバーのぬるっといく感じのことです。




わかる。





みなさんは、ご存知だろうか。



「突然の出来事への対応力は、知識量に比例する。」



ということを。


知らないだろう、
いま2分かけてみさきが考えたのだから。
根拠なんてものは、勿論ない。




知識は万が一の時ほど武器になる。
そして知識は己を護る鎧ともなる。

ここまで、適当だ。
ここからも、適当だろう。


だが、考えてみてほしい。
偉い人がわたしと同じことを言ったとしたら、
この言葉は格言となり、誰かの人生の糧となり、さまざまな媒体を通していずれ貴方の元へ届く。

しかし、わたしは偉くない。
貴方の元へこの言葉が届いたのは、
何かの間違いだ。

だから、貴方も適当に
聞き逃すと良い。




知らないということを
恥ずかしいと感じることはあるだろうか。

知らないから、
知ったかぶりをした。
そしたら、とんでもない失敗を犯した。

知らないことに、失敗はつきまとう。
失敗は恥ずべきではないとはいうものの、
多少なりとも恥は感じる。

恥はかきすてきれないことも多い。
それならば多くのことを知っておこう。


JK語も知っておくに越したことはない。
貴方はJKを前にして恥をかきたくはないだろう。



今日もみさきが
JK語の伝道師として、
JK語をひとつ教えよう。






今回紹介するのは、


「らぶりつください」


ツイッターで、

J○/J○裏垢/病み垢/病み垢さんと繋がりたい

などと調べたことがある人なら、一度は聞いたことがあるのではないだろうか。そうでない人も目にしたことくらいあるのではないだろうか。むしろ、そうでない人で目にしたことある人の方が多いのではなかろうか。


らぶりつ?ください?

何かを求めていることは分かる。しかし、何を、らぶりつとはなんだ。

人が何かを求めている時に、それに的確に応えてあげられる人は素晴らしい。こういった場面こそ、知識がモノを言うに違いない。下心だけ出していてはいけないのだ。テイクが欲しいなら、しかとギブをすべきだ。


問題となっているのは、

らぶりつ

だ。


説明しよう、らぶりつとは、ツイッターにおける
いいねとリツイートである。

いいねボタンがハート型をしているから、ラブ
リツイートのあたまをとって、リツ

併せてらぶりつ。

すなわち、
らぶりつください
と言われたら、いいねしてリツイートすることが正解なのだ。

いままで、何をしていいか分からず
途方に暮れていたあなた
今度からこのツイートを見かけたら
すかさずらぶりつしよう。



以上。







それでは最後に、会社のコーナーいってみよう。



今日のシーンは、

松本さんとみさきちゃんがだんだんと打ち解けてきた5月のこと。ふたりはお昼の雑談中。ふたりの共通の話題となったのは、人気ユーチューバー。ふと、みさきちゃんがこんなことを言いました。



み「ツイッターでいいねとリツイート稼ぎするときに、らぶりつくださいっていうじゃないですか。」

松「あ、え、へーそ、そうなんだぁ。」

み「ユーチューバーも動画の最後に『チャンネル登録と高評価よろしくお願いします』っていうけど、長いからいい感じに略したいですよね」

松「たしかに」

み「なにかいいのないかなー、松本さんどう思います?」



松本さん、松本さん
ここはひとつ最高の答えを導き出して
さきちゃんにできるアピールをしましょう。



松「(よーし、頑張るぞー。)」


ホワワワーン


天の声「松本さん、今日は『チャンネル登録と高評価よろしくお願いします』を略してみましょう。」

松「うん、やってみるよ。」

松「こういうのは、あたまの文字を取って略せばいいんだよね。チャンネルのチャンと、高評価の高で、ちゃんこ!」

天「はー、松本さんそれは稀○の里。みさきちゃんに金星をあげるどころか、呆れたみさきちゃんが会話を休場しちゃいますよ。」

松「ええ、そんなに!!うーんでもアプローチ方法は悪くないはずだ。それなら、、、」

天「それなら、あ、まずいわ。わたしそろそろ力が…」


ホワワワーン


み「…さん、松本さん、どうしたんですか?」

松「あ、えと、ごめん、ちゃんこ、ちゃんこ食べに行こ、みさきちゃん」

み「え、あーまあいいですよ。って急になんですか、てか、ちゃんと考えてくれてたんですか?」

松「あー、すまん思いつかなかった。ちょっとコーヒー買ってくるわ」



み「ちゃんこお願いします。

松「ん?なんか言ったかー?」

み「なんでもないです!」










はっ、なんだいまのは。
松本さんちゃっかりみさきちゃんのことご飯にさそってるし、てかみさきちゃん視点だと松本さん突然気を失ってるよね。癲癇?まじ事案や。

でも、今後の展開気になるかも。







ここで一句




隙あらば

らぶりつください

ほととぎす





またな。

【家族バトル】ボンボン・ショコラ争奪戦に惨敗したJKの話 〜後編〜

お兄ちゃんが包装を解いている。
几帳面さのかけらもない、激しい開封に家族みんなどこか気圧されたように感じた。


大丈夫、ここまでは想定通り。箱が開いてからが肝心だもの。私たちは静かにお兄ちゃんの開封を見守っていた。



ようやく包装が解かれ、箱の蓋が開けられた。
そこには、12個のボンボンショコラが整然と並んでいた。一瞬、時が止まった気がした。


この8ヶ月間、何度もイメージしてきた風景がいま、目の前に広がっている。
わたしはひとつ深呼吸をして、箱の中身を見定める。この中から3つ、好きなものをちゃんと選べるのだろうか。
気を詰めていないと飲み込まれそうになる恐怖を感じた。8ヶ月前には、知らなかった恐怖。8ヶ月間全力を尽くしたからこそ、わたしは怖いと思った。怖くて怖くて、仕方がなかった。


もう一度、深呼吸をした。


四角、ひし形、円柱形。12個のボンボンショコラはシンプルなデザインをしていた。おそらくフランス方式と呼ばれる中身を基準に外側をコーティングする製法のものだ。
見た目が近いため、一見すると中身が分かりづらい。ここは、装飾で判断するしかない。




そんなことを考えていると、
お兄ちゃんが仕掛けた。
誰しもを凌ぐスピードで伸ばされた右腕は、緑色のチョコレートを捉えた。




速い。




でもここまでは予想通り、お兄ちゃんの好物は抹茶だ。好きなものを最初に選ぶのは、速効型のお兄ちゃんらしいチョイスだ。


続いて動いたのは、パパ。

違う、パパが手にしたのは写真付きの説明文だった。
たしかに、説明文を読めばすべてのチョコレートの味を知ることができる。しかし、それでは遅い。ボンボンバトルは、スピードと駆け引きが重要である。その2つの要素から離脱する説明書閲覧は悪手のはず。
なのになぜ、パパがそんな初歩的なミスを…







刹那、説明書が机に置かれた。









速読だ。









なんて速さなの。

普段から、新聞を読んでいるパパだからこそ為せる技。パパに電子版の新聞を勧めても一向に振り向かなかった理由が、今ようやく分かった。読む力の大切さを教えてくれてたんだ。だから、わたしにも家族にも新聞を読めるように紙で購読してたんだ。



全てを知ったパパはどっしりと構えている。




呆気にとられている場合じゃない。
よし、わたしが仕掛ける番だよ。


わたしの先手は、口の中を締める意味を込めてコーヒー豆のガナッシュを狙う。

何度も言うが、これは情報戦だ。ここでコーヒー系を狙ったのも理由がある。今晩のチョコレートのお供はコーヒーだ。これは、母が淹れてくれたものであるが、わたしはしっかりと確認していた。
そして、わたしの家族はみんなコーヒーとコーヒー味のお菓子を一緒には食べない。コーヒー味のお菓子を食べるときは、いつも紅茶を飲んでいる。



だから、コーヒー系は避けるはず。



わたしがコーヒー味と決め打ち最初に手に取った、茶色のラインの入ったチョコレートをほうぼる。







甘い。







これは、







キャラメル味だ。







こめかみに一筋の汗が垂れる。






ママが笑顔をこちらに向けながら
箱の中で一際目立つ
真紅のチョコレートを手にした。







だめ、それは
私が2番目に狙っていたチョコレート。

私のミスを、
嘲笑うかのように、
的確に。

私の心は、見透かされていた。







ママの笑い声が、




パパの満足気な表情が、




お兄ちゃんの五月蝿い動作が、




どんどん遠のいていった。








目を覚ますと、
わたしはベッドの上にいた。

枕元には、
高級感に溢れた四角い箱。
中には、
ちょこんと座った
フランス人形のような
可愛らしく、気品の漂う
チョコレートが2つ残っていた。



私の心を満たすには、
十分すぎる佇まいだった。



わたしが伸びをしていると
わたしの部屋のドアを2回ノックして、
お兄ちゃんが入ってきた。

手にはティーカップ
紅茶を淹れてくれた。






「お前は、勝ったんだな。この戦いに。」




「苦いよ、お兄ちゃん。」




「頑張ったな。」




わたしはお兄ちゃんと一緒に
3つ目のボンボンショコラ
ホワイトチョコレートを食べた。


どこか、しょっぱい
味がした。






わたしの8ヶ月は、
辛くて厳しい日の連続だった。





その修行で見つけた
わたしだけのボンボン。




それは、
すべての味を愛すること。




すべてのチョコレートを
楽しむこと。








おしまい。


【家族バトル】ボンボン・ショコラ争奪戦に惨敗したJKの話 〜前編〜

ある日のこと。

いつも通り帰宅した我が家には、
いつもと違うオーラを放つ存在が
待ち受けていた。


ボンボン・ショコラだ。


どこの誰が届けてくれたのだろうか。日常に突如として舞い降りた幸せのお菓子。4人がけの使い古されたダイニングテーブルには明らかに不釣り合いなその姿を見て、わたしは身震いした。




今宵、闘いの火蓋が切られる。




ママ、
普段より肌艶がいいね。
気持ちよさそうにオペラを歌い上げながら、小気味よいリズムで包丁を扱っている。
おそらくママがさいしょにこの幸運の存在を知ったのだろう。相当に準備をしているに違いない。


パパ、
今日は帰りがいつもより早いね。
パパのスキル
ポーカーフェイス
が発動している。
それくらいわたしにもわかるよ。だって新聞に落とすその真剣な眼差しは日本経済を憂いたからじゃないもの。


お兄ちゃん、
まだ帰宅途中なのかな。
おそらくお兄ちゃんが口火を切って戦いは激化する。お兄ちゃんのペースに巻き込まれてはダメ。周りのわたしたちが焦っちゃうと、それはもうお兄ちゃんの思う壺だね。




わたしはどうだろう。




頬は紅潮し、鼓動は早く、
それでも昂まる気持ちを抑えている。


思い出して、8ヶ月前おばあちゃんのおうちで戦って負けたことを。
すっごく悔しかったな。手も足も出なかった。
わたしは知らなすぎたの、なにもかもを。








ボンボンショコラは、「中身のはいった一口サイズのチョコレート」だ。家族でこのチョコレートを食べるとき、例えば12個入りを4人家族で食べるなら3つずつ仲良く分けることとなる。
しかし、ボンボンショコラの中身は多種多様だ。同じ味を均等に分けることは不可能なのである。


そこで起こるのがボンボンバトルだ。


各々が好きなチョコレートを奪い合う。いたってシンプルに聞こえるが、実は奥が深い。そこには相手の好みを知るという情報戦があり、自分の思い通りにチョコレートを食べるための駆け引きがあり、そしてなによりボンボンショコラに対する知識が必要となってくる。


8ヶ月前の私はボンボンバトルに必要なものを何一つ備えていなかった。その結果、最初に選んだ可愛い見た目のチョコレートは、苦手なウイスキーボンボンだった。それからは地獄のような時間が流れた。ホワイトチョコレート系、ナッツ系、決して嫌いなわけではないけれども満足できるものではなかった。

完敗、その二文字だけが頭に残っていた。



それからのわたしは、来たる日のためにつらくて厳しい修行に明け暮れた。この8ヶ月間、わたしは初めて本気になれるものに出会えたんだよ。
寝食も惜しんで、ひたすらに練習した。成長を感じた日もあった。挫けて投げ出したくなる日もあった。それでも、決して休むことはなくやりきった。ううん、まだまだ全然ダメ。家族のみんなに敵わない部分はいっぱいある。だけど、一筋の光が見えた気がした。私なりの私だけのボンボン。そして私には、秘策がある。


私は静かにその時を待った。
もう、8ヶ月前の私はどこにもいない。
うん、大丈夫。私ならやれるよ。





玄関の扉が開き、物音がこちらへ近づいてくる。
私は閉じていた目を開き、リビングに視線を移した。ママはすでに料理を終えていて、パパは新聞を静かにたたんだ。やっぱりさっきから同じページしか見ていなかったね。
お兄ちゃんが部屋に入ってきて荷物を置くやいなや、口を開いた。

「お、うまそうなチョコレート。開けるよ。」





さあ、闘いのはじまりだ。






つづく。